新卒採用で利用される適性検査は、SPI・玉手箱・TG-WEBといったところが主流ですが、意外と多くの大手企業が利用しているのが、SHL社が制作しているCAB (キャブ) とGAB (ギャブ) です。
CABは、コンピュータ職用の適性検査で、能力検査 (≒学校の試験) と性格検査 (≒心理テスト) があります。
以下の表からも分かる通り、能力検査の各分野はどれも算数・数学で、言語(≒国語) の問題は出題されません。
受検形式 | 科目名 (能力検査) | 問題数 | 制限時間 |
Web-CAB | 四則逆算 [空欄埋め] | 50問 | 9分 |
図形の法則性 | 30問 | 12分 | |
命令表 | 15問 | 36分 | |
暗号解読 | 30問 | 16分 | |
ペーパー | 四則演算 [暗算] | 50問 | 10分 |
図形の法則性 | 40問 | 15分 | |
命令表 | 50問 | 20分 | |
暗号解読 | 39問 | 20分 |
CABは、自宅受検型のWebテスト版 「Web-CAB」 と、マークシート型のペーパーテスト版があります。
科目は1種類だけ異なるだけですが、出題される問題の難易度はWebテスト版の方が難しいです。
ちなみに、23卒の学生は新型コロナウイルスの影響で、ほぼ確実に難しい 「Web-CAB」 を受けることになると思います。
ちなみにコンピュータ職用ということで、ITやゲーム業界で多く使われていて、過去には、カプコンや富士通、ヤマハモーターソリューション等が利用しています。
一方、GABは、能力検査で計数・言語が出題される総合的な適性検査で、同じSHL社が制作している 「玉手箱」 とよく似ています (すなわちリクルート社のSPIとは大きく異なります)。
科目名 (能力検査) | 内容 | 問題数 | 制限時間 |
計数 | 表を読み取り計算 | 52問 | 25分 |
言語 | 長文を読み、設問が 論理的かどうか判断 |
40問 | 35分 |
GABも、Webテスト版 「Web-GAB」 と、マークシート型のペーパーテスト版がありますが、科目・問題数・制限時間などは同じです。
商社や証券会社、総合研究所など多くの業界で使われていて、過去には、三菱商事やベイカレント・コンサルティング、NTTドコモ等が利用しています。
CABとGABの厄介な点はというと、それぞれの表を見てもらうと分かりますが、難易度の割に 「時間が少ない」 ところです。
問題は簡単ではないにも関わらず、制限時間が極端に少ないため、適性検査の中でも最も難しいと言われています。
今回は、そんな対策必須のCAB・GAB対策に最も適した問題集を2冊厳選し、それぞれ解説していきます!
1冊で完結する問題集2選
CAB・GABの対策本というのはいくつか売られており、どれを買えばいいか迷われるかと思いますが、今回はCAB・GABに絞っていて対策が1冊で完結し、なおかつ口コミ評価の高いものを2冊厳選しました。
- これが本当のCAB・GABだ!
- CAB・GAB完全対策
①これが本当のCAB・GABだ!
出典:Amazon
1つ目は『これが本当のCAB・GABだ!』です。
SPIノートの会編著の『これが本当の〇〇』シリーズは、売上No.1※ を誇る超定番の対策本で、本書はそのCAB・GAB編です。
※全国主要書店・大学生協、2019年4-12月
本書の構成は、CAB・GABそれぞれの科目や分野別に、まず傾向や攻略法を頭に入れ、その後問題を解いてマスターするというものです。
\傾向・コツを押さえる!!/
出典:Amazon
\問題を解いて解き方を覚える!!/
出典:Amazon
\丁寧な解説でしっかり理解!!/
出典:Amazon
特長・口コミ
本書の一番の特長は、CAB・GABを本番でスムーズに解けるよう、難しい問題を選りすぐって掲載しているところです。
CABならより難しいWeb-GABの問題、GABならGAB Compact (GABの難易度を高くして、実施時間を短くしたテスト) の問題です。
他にも、解説では 「その問題の答えがどうなるか」 というより 「どうやって解くか」 という解く過程に重点を置いているので、とても応用が利きやすいです。
口コミでも、問題の難易度や解説の質に満足している方が多いようです。
解説が分かりやすく、文系でも取り組みやすかった。Web-CAB対策の問題も多く、まんべんなく勉強することができた。
出典:Amazon
難易度の高い問題を重点的に載せている。これで練習しておくと普通のが出ても楽に解ける。
出典:Amazon
難易度の高い問題も数多く載っているので、これで慣れておけば本番でもスムーズに解けます。
解説の仕方もよいと思います。わかりやすかったです。
CAB・GABの類書もキャリアセンターの貸し出しである程度やりましたが、中でもこの本がダントツにベストだと思います。
出典:Amazon
取り組み方
CAB・GABは、Webテストの中でも特に解法・スピードを身につけていく必要があるので、必ず繰り返し解きましょう。
1回解いただけでは、なかなか通過レベルには達することができないと思います。
とにかく回数がものを言うので、すべての問題がスムーズに解けるようになるまで、頑張って練習しましょう!
②CAB・GAB完全対策
出典:Amazon
2つ目は『CAB・GAB完全対策』です。
著者の 「就活ネットワーク」 は、独自のネットワークで収集した情報をもとに『〇〇完全対策』シリーズを出版しており、本書はそのCAB・GABです。
(難易度がより高いCABの問題数が少し多くなっています)
本書の構成は、CAB・GABそれぞれの科目や分野別に、まず傾向や攻略法を頭に入れて、その後問題を解いてマスターするというものです (1つ目の問題集と同じですね 笑)。
\傾向を押さえる!!/
出典:Amazon
\攻略法を押さえる!!/
出典:Amazon
\問題を解いて解き方を覚える!!/
出典:Amazon
\丁寧な解説でしっかり理解!!/
出典:Amazon
本書は、残念ながらWeb-CABの四則逆算の問題が掲載されていないので、もし完全にWeb-CABの対策をしたい方は『Webテスト2【TG-WEB・Web-CAB・WEBテスティングサービス】完全対策』をお買い求めください!
出典:Amazon
特長・口コミ
本書の一番の特長は、「先輩たちの情報から再現!」 というシリーズタイトルの通り、本番のテストの問題と同じ難易度の問題を掲載しているところで、より本番に近い問題で練習することができます。
1冊目よりも相対的に問題の難易度は低く、問題数は少なめなので、本番のテストまで時間がなく、重要な問題の攻略法のみを押さえたいという方に最適です。
そのため、口コミを見ると、問題数の少なさに満足していない方が多いようですが、
Web-GAB対策用に購入しましたが、本書の問題が実際に比べ易しすぎる気がしました。(実際のWeb-GABの問題はもっと難しかったです) 本書内のGABの問題数も少ないので、これだけでは対策として不十分だと思います。
出典:Amazon
個人的には、時間がない方には十分な問題量と解説の質だと感じています。
実際、本書に満足している方も多くいらっしゃいます。
エントリーしたのは足切りラインが最も高いと言われる企業の一つでしたが、問題難易度的には、この本による対策で十分でした。
出典:Amazon
取り組み方
時間がない方向けの問題集ということで、最低1周、できれば2~3周しておくと、より知識が定着し高得点が狙えるでしょう。
もし受検の〆切まで2週間以上時間がある方は、最初に紹介した『これが本当のCAB・GABだ!』に取り組んだ方がより高得点が狙えるので、そちらをおすすめします!
最後に
CAB・GABは、複数回受検すると分かると思いますが、実は同じ問題に当たることが異常に多いです。
それもそのはずで、CAB・GABはそれぞれ並行板 (=設問形式が同じ冊子) が2版くらいしかありません。
そのため本命の企業にエントリーする前に、CAB・GABを課してくる企業にエントリーして練習しましょう!
なおCAB・GABを利用している企業に関しては、「CAB 企業」 などで検索して調べてみてください。