2022年卒からインターンシップ経由の採用が正式に解禁されたことや、新型コロナウイルスによる就活の早期化の影響もあって、学生のインターンシップ参加企業数は増加傾向にあります。
そこで今回は、
インターンシップを受けようと思っているけど、就活を始めたばかりで、ES (エントリーシート) の書き方が分からない…
という就活生に向けて、ESの頻出質問である
- ガクチカ
- 志望動機
の 「選考を突破する書き方」 を、外資系コンサルティングファームやベンチャー企業など18社中17社のES選考を通過した私が、徹底的に解説していきます!
ESは選考フロー最初の関門で、ここを通過できないとアピールの場すら与えてもらえません。
しっかりとこの記事で知識をインプットし、対策を練って最初の難関を突破していきましょう!
ESは 「書き方」 > 成果・経験
ESを書こうと思うと、どうしても 「成果や経験の質」 に気を取られがちですが、実は 「書き方」 の方が大切です。
もちろん目立った賞や成果があれば、読む人の目に止まりますが、そういった経験を持っている人はごく少数。
すなわち審査する側は、同じような内容のESから通過者を決める必要があり、その中で通過するのは 「書き方がうまい人」 というわけなのです。
書き方のポイント5つ
「書き方がうまい」 というのは才能ではなく、書き方のポイントを知っているかどうかの問題です。
ここからは、「具体的にどう書いていくか」 について、以下の書き方のポイントをもとに解説していきます。
- MECE (=モレなく、ダブりなく)
→質問に対して過不足なく答える - 読みやすい文章
→文章を構造的に書く - 定量的な表現
→数字を使って審査官の想像力を働かせやすくする - 行動の動機
→自分の行動に対して “なぜ?” を突き詰める - 再現性・反復性
→入社後、その能力を長い期間 発揮できることをアピール
この5つのポイントは、「カバーする方法」 によって、①・②/③・④/⑤ の3つに分けることができます。
その 「カバーする方法」 は、それぞれ以下の通りです。
- ①・②:フレームワーク
- ③・④:意識
- ⑤ :事前準備
①MECE・②読みやすい文章
①と②は、「L型マトリクス」 というフレームワークを使ってカバーしていきます。
このフレームワークこそ 「受かるES」 を作るための核となるものですが、縦に 「書く項目」、横に 「詳細レベルの段階」 を書いた表を埋めるという、とてもシンプルな構造です!
ガクチカと志望動機の表を、例として作ったので、ぜひ参考にしてみてください。
ガクチカのフレームワーク
まずガクチカの表は、以下のように作ることができます。
タイトル: 〇〇 |
段階1: 一言で |
段階2: 少し深掘り |
段階3: さらに深掘り |
段階4: 最後まで深掘り |
動機 | ||||
目標 | ||||
手段 | ||||
困難 | ||||
工夫 | ||||
結果 | ||||
学び |
(エクセルやGoogleスプレッドシートなどで作ってみましょう!!)
書くべき項目に対するエピソードを、段階的に深掘りしながら書いていきます。
実際にESに落とし込む際は、まず始めに左上にあるタイトルを書いて (結論ファースト)、動機から学びまで各項目を上から順番に書いていき、項目と項目の間は適切な接続詞を使って、文章の繋がりを良くしてます。
「どの段階までESに書くか」 というのは、字数制限を考慮しながら判断しますが、おそらく段階1~2あたりまでしか書けないと思います。
では、段階3~4は何のためにあるかというと、面接で深掘りされた時のためです。
ESを作る段階で、極限まで深掘っておくと、ESに書いてあることと面接で話していることの間に食い違いが起こらなくなり、結果的に面接の通過率が上がります。
ちなみに各項目の定義は以下の通りですが、
- 動機: 頑張ろうと思った理由
- 目標: 設定した理想の状態
- 手段: 目標達成のために打った施策
- 困難: 施策の中で上手くいかなかったこと
- 工夫: その困難を乗り越えるためにやったこと
- 結果: 最終的な成果。目標達成の是非
- 学び: その経験から得た学び
字数制限が少ないと (200字以内など)、すべてを盛り込むことができないので、その場合は自分にとってアピールしたい部分を優先的に入れるようにしましょう。
ただ、困難・工夫・結果・学びは、入れ込みたいところです。
【例文 ~ガクチカ~】
大学3年時、◯◯名が所属する◯◯サークルのコンテストで全◯◯チーム中◯◯を目指し、実際に◯◯したことだ。
私はリーダーとして練習メニューや作品の振りの作成を行っており、他チームとの差別化が可能な複雑で見応えのある作品作りを心がけた。しかし、メンバーの1人が◯◯未経験者であったため、他メンバーとの実力差からチームの士気にも影響が出てしまった。そこで、チーム練習に加えて一対一の指導を行い、個々の強みを伸ばしつつ全体の底上げを行なった。また、常に意見できる場を設け、メンバー全員に主体性を持たせることでチームの一体感を高めた。これにより、結果的に◯◯することができた。
この経験を通して、チームとして成果を上げるためにはリーダーが共通のビジョンを掲げ、チームを底から押し上げるように包括的に率いることが重要であるということを学んだ。
出典:ワンキャリア
志望動機のフレームワーク
志望動機の表は、ガクチカよりも 「これを書かなければならない」 という項目は定まっていませんが、例として以下のように作ることができます。
タイトル: 〇〇 |
段階1: 一言で |
段階2: 少し深掘り |
段階3: さらに深掘り |
段階4: 最後まで深掘り |
志 | ||||
経験・事例 | ||||
インターンで 得たいこと |
志望動機は、審査官を納得させるためにも
過去(経験・事例)・現在(志望動機)・未来(志)
の一貫性が大切です。
「将来こうなりたいから、今までこういう経験をしてきて、インターンではこれを学び経験したいから、貴社のインターンを志望します」
という流れが一番自然で説得力があります。
ただ 「過去の経験・事例」 に関しては 「どうしてもエピソードがない!!」 という人もいるでしょうし、字数によっては入れ込む余裕がないこともあるので、いざとなったら省いてもOKです。
その代わり、「未来における志」 と 「インターンで学びたいこと」 の一貫性のみで審査官を納得させる必要があり、ハードルは若干上がります。
なお矛盾しない程度に話を盛るのはOKですが、完全な嘘は面接でバレるので絶対NGです。
【例文 ~志望動機~】
私がインターンシップに応募したのは、貴社が掲げている「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という企業理念に共感し、インターンシップを通じてそのエッセンスを学ぶことで自分の将来を考える糧としたいと考えたからです。
幼少期から上海やフィリピンといったアジアの外国で暮らし、アメリカへの留学をした私は日本のサービス精神や質へのこだわりといった強みを再発見することができた一方で、諸外国と比べて日本で暮らす人々や社会にパワーがないのではないかと感じ、日本を活気づけられるようなことがしたいと感じていました。
貴社はそれを、イノベーションを通して実行しようとしており、貴社のインターンシップでその取り組みをより知りたいと思います。
出典:エンカレッジ
③定量的な表現・④行動の動機
①・②ではフレームワークを使いましたが、③と④は 「意識」 の問題です。
すなわち、③と④を常に頭に置いておきながら、先程のマトリックスを作っていくという形です。
「定量的」 というのは、数字に基づいているという意味です。
具体的には 「数値の変動」 や 「人数の規模」 を盛り込むようにしましょう。
例えば、「毎日10人シフトが入るカフェで、接客中に〇〇を工夫したことで昨年より売上が1.2倍に上がった」 といった感じで記述すると、選考官は具体的な場面をイメージすることができますし、エピソードの信憑性も上がるので、選考官からの印象もよくなります。
「行動の動機」 を考えるというのは、自分がとった行動に対して 「なぜ?」 を徹底的に考えるということです。
「なぜ?」 を突き詰めていくことで、文章の説得力が増すだけでなく、自分自身のより深い理解にも繋がります。
この 「なぜ?」 と考えていく意識は、先程のマトリックスの段階ごとに詳しく書いていく時に使います。面接官はとにかく、あなたのとった行動の動機を深掘りして、あなたの思考や能力、価値観などを判断しようとするので、あらかじめ 「なぜ?」 の答えを持っておけば、受け答えもスムーズにできます。
逆に深掘りされて言葉に詰まってしまうと、面接官からの印象が悪くなるので、動機の深掘りはESの時点でしっかり行っておきましょう!
⑤再現性・反復性
⑤は、「事前準備」 で補っていきます。
再現性とは 「入社後もその能力を発揮できるか」、反復性とは 「その能力は持続的に発揮されるのか」 ということを表しています。
要は、あなたが 「会社で活躍してくれるか」 ということですが、これは企業側が最も注目するポイントであり、頭に入れておかないと、的外れなESを書くことになります。
例えば、協調性が重視される企業のESに、自己主張が強いことを示すエピソードを選択してしまっては、どんなにすごいエピソードでも、おそらく落とされてしまいます。
そうならないために、すなわち会社が必要としている人材であることをアピールするために、「会社が求める人物像」 というものをあらかじめ知っておく必要があります。
ではどうやったら分かるかというと至極簡単で、「企業名 求める人物像」 で検索すると、大概の企業がヒットします。
各企業のホームページには 「求める人物像」 について書いてあることが多く、それが検索結果で出ることが多いです。
また、ワンキャリアなど就活支援サイトで企業について調べるというのも一つの手です。
ワンキャリアは、
- 企業掲載数No.1
(日系や大手だけでなく、外資やベンチャーまで幅広く掲載。約45,000社)
マイナビ=約7,000社、リクナビ=約6,000社 - 学生の利用率No.1
- 学生が選ぶ使いやすさNo.1
- 企業選び・選考対策に役立つ口コミ掲載数 約30万件
というNo.1の就活支援サイト・スマホアプリです。
各企業の 「企業の魅力」 ・ 「合格の秘訣」 といった項目で企業研究ができるだけでなく、「体験談」 という項目では先輩のESを参考にすることもできますので、ぜひ利用してみてください!
今なら無料登録で500円分のAmazonギフト券!!
書き終わったら必ず確認
ESは書き終わったら、終わりではありません。
必ず、「誤字脱字」、「分かりにくい箇所」 が無いかを確認する必要があります。
一番いいのは、友人や先輩、OB/OGに添削をお願いすることです。
自分のみの添削だと、他人が読むと分かりにくい文章になる恐れがあります。
しかし、昨今の新型コロナウイルスの影響や、単純に気まずいという理由から、添削を頼める人がいないという就活生も多いのではないでしょうか。
その対応策も実はあって、それは自分が書いたESを 「自分で50回以上読んで添削する」 ことです。
50回読んでその都度添削を行えば、必ず洗練された文章になりますし、ここ分かりにくいかなという部分も出てきます。
他にも、「本命でない人気企業のインターンに応募する」 というのも一つの手です。
そこで自分のESが通れば、ある程度、質は保証されていることが分かりますし、落ちたのであれば対策が必要であることが明白になります。
まとめ
今回は、インターンシップのESのフレームワークや書き方について解説しました。
今回書いたことをしっかり遵守すれば、人気企業の選考でも高い確率で突破することができると思います!
納得して就活を終えられるよう、しっかり対策を行って最初の関門であるインターンのESを突破しましょう!